推しが今日、結婚した。

推しが今日、結婚した。

 

それはまさに青天の霹靂だった。

 

これを読んでいる方は8.30事件を知っているだろうか。これは私の推し、星野源がもたらした歴史的大事件のことだ。突如として8.30という暗号を残した私の推しは、8.30に世界のGENHOSHINOになった。

 

それからインスタグラムを覚えた彼は、何か発表するときは必ず謎のカウントダウンを行うようになった。ファンは毎度このカウントダウンに踊らされ、星野源結婚説も毎度のように出ていた気がする。

しかし、8.30事件を超える大事件は起こらないだろうとどこか推しをみくびっていたファンも多いのではないだろうか。私は少なくとも、もうあれ以上の驚きはないと思っていた。

 

そんな私たちは2021年5月19日を迎える。

 

「iamgenhoshinoが写真を投稿しました。」

その通知は推しの結婚を静かに知らせたのだ。

 

その時、私は課題をやろうと携帯を閉じるところだった。推しのインスタグラムの投稿は誰よりも早くいいねを押したい性分なので、通知が来ると光よりも早い速度でインスタへ飛んだ。

投稿を見ると改まった文書が見える。シングル発売延期の知らせだろうか。いや、倒れた時のことを言っているのが見える。もしかして芸能界引退?激しく動揺し、指先が震えるのがわかる。恐る恐る、文書をちゃんと見る。あれ?そこには思いもかけない「結婚」の二文字が見えたのだ。

 

結婚?聞き馴染みのある言葉だが、どうにも星野源と結婚の二文字が結びつかない。

咄嗟にほしがきオタクの血が騒ぐ。私、ガッキーじゃなきゃこの言葉を受け入れられない。

もう一度文章に目を通す。

 

新垣結衣さんと。。。。。。。

 

私、星野源は、新垣結衣さんと結婚する運びになりました。

私はその文言を見るや否や、一度携帯をとじ、夢か現実かわからない報告に呆然とするしかなかった。推しと推しが結婚?オタクの夢が叶ったのか、、、、?

 とりあえずTwitterへいくと、どうやら見間違えではないらしい。私の推しは既婚者になるらしい。しかもあの新垣結衣と結婚するらしい。

 

重大な発表は、事前に匂わせるのが約束になってたではないか!!

一緒にカウントダウンするって約束ではないか!!

 

8.30事件を超える衝撃を受け止めるにはまだまだ時間が必要だった。

 

しかし、推しが今日、結婚したのだ。

 

 

推しが結婚するってどうなんだろうか、と毎回結婚報道が出るたびに考えていた。でも、どこか他人事だった。正直、星野源には縁のない話だと思っていたのだ。(失礼)

相手がガッキーだったからだろう。飛び上がるほど嬉しかった。妄想でなら、とっくに私の中では二人が結婚して、記者会見も開いている。あの国民的ドラマの主演二人が結婚したのだ。ただ推しが結婚したのではない。日本中に愛されたあの平匡とみくりが現実に結婚するのだ。

 

どこまで世界を騒がせれば気が済むのだ、星野源

 

世界一のエンターティナーであるが、そこまで皆の期待を背負わなくてよかったのに。

 

しかし、驚くことにこれは私たちのために結婚したのではないのだ。世界一のエンターティナーがファンを喜ばせるために結婚したのではないのだ。

 

本人たちが惹かれあったから結婚したのだ。

 

例えばガッキーが下ネタラジオをする40代が嫌と言ったなら、結婚することはなかったのだ。

例えば星野源がインドアよりアウトドアな彼女がいいと言ったなら、結婚することはなかったのだ。

 

いくら人気のある二人だからといって必ず現実も結ばれるわけは当然なくて、運命の相手がお互いだったという奇跡が起こったのだ。

 

神様、ありがとう!!!!!!

推しを幸せにしてくれてありがとう。

 

ガッキーありがとう!!!!!!

星野源を好きになってくれてありがとう。

 

だけど、心のうちに複雑な気持ちも見つけてしまった。そりゃあ、大好きな人だもの。キュンだって、ギュンだって沢山もらったもの。

 

弟が、私にいった。「それじゃあ、お姉ちゃん、星野源と不倫すれば?」

おぉ、弟よ。その通りだ。お姉ちゃんがなんかの弾みで星野源と知り合って、危うく恋仲になりそうものなら、それはもう不倫になってしまうのだ。お姉ちゃんはね、大好きな人の大好きな人には傷ついてほしくないんだよ。(ごめんなさい)

 

推しは今日結婚した。明日も、明後日も、何十年先も、そして死んで土に埋まるまで共にするパートナーを見つけたのだ。それは私でも、あなたでもない。いくら熱烈に思っていても隣にいるのは私たちではない。だけど、今日も、明日も、明後日も、これからも推しは世界一のエンターティナーとして楽しませてくれるはずだ。いつもと変わらず、誰も仲間外れにしない丸い歌を届けてくれるはずだ。いつもと変わらない下ネタラジオを届けてくれるはずだ。でも、もしかしたら、愛を歌う歌の中に、妻と重ねる歌詞があるかもしれない。二人に子供ができたら、ラジオで下ネタを控えるようになるかもしれない。それでも彼は唯一無二の私の推しであることは変わらないと思うんだ。

 

いろんな感情になったけど、紛れもなく今日は人生で一番幸せな日だった。この幸せ、毎日でも噛み締めたいと思えた。もはや、毎日結婚発表をしてくれ、とさえ思ってしまう。あと一年ぐらいは今日と同じ反応ができる自信がある。みんなもそうでしょ?

 

私が推しに向けた愛に足る想いを、文字にしてみた。

若干想いが重くなってしまったのはお許しを。

 

本当に、本当に、おめでとう。

 

そして、本当に、本当に、幸せをありがとう。

 

世界で一番幸せになってね。

 

無理せず長生きして、面白いもの作り続けてね。